§11.円柱曲線ワイヤーに流れる電流により作られる磁界
1)磁界の表式
Fig.11に示したように一定の曲率Rの円柱曲線型の電流要素を定義する。この電流要素を定義する固有座標系X-Y-Z は、原点が半径Rの円弧の中心とし、円弧はZ=0 のX-Y平面上にあるとする。また半径Rの円弧に沿って、開始角度 θ_s から終了角度θ_e までの範囲に半径 r_c の太さの導線が円弧Rを中心として存在するとする。また電流は電流密度iでFig.8 に示したように導線の内部に円周方向に沿って流れているとする。この時導線内の微小要素を考える。この微小要素はFig.8 に示したように円筒座標系(r、θ、Z)で(dr、dθ、dZ)の微小広がりで定義されているも
のとする。固有座標系X-Y-Zの点 に作られる磁界を表式化する。微小要素に流れる電流はi dr dz であり電流が流れる方向の長さはr dθ であるのでこの微小電流要素が点 に作る磁界はビオサバールの法則により
式(11-1)
と表す事ができる。ここではθ方向の単位ベクトルで
式(11-2)
である。(Fig.8-1参照)微小要素の位置は固有座標系で であり は
式(11-3)
と表せるので、式(11-1)の外積 は
となる。
従って式(11-1)は
式(11-4)
ここで
式(11-5)
と表せる。Hx ,Hy, Hz は式(11-4)をr, θ, z に関してコイルの全範囲に渡って積分
する事によって求める事ができ
式(11-6)
と表せる。式(11-5)をrに関して展開すると
式(11-7)
ここで
とおくと式(11-7)は
式(11-8)
と書ける。従って式(11-6)のrに関する積分をtに関する積分に置き換えると
式(11-8)
ここで
式(11-9)
とおいた。
先ず式(11-8) において tに関する積分を行う。その時、数学公式Ⅰ(岩波全書)の以下の不定積分公式を利用する。o
式(11-10)
式(11-11)
a>0の時
式(11-12)
a=1 , b=0 とすると上の公式は
式(11-10')
式(11-11')
式(11-12')
となる。
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公開日:2011年3月16日 更新日:2023年10月16日
作成者:児島 伸生
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