§1.磁性体を含む系の磁場の表式
4)磁性体を含む場合(磁場の表式)
式(1-26)の回転をとり直接磁場を求める事を考える
式(1-38)
以下のベクトル演算の一般公式を用いる。
式(1-39)
式(1-38)の積分の中はに、にを代入すると
式(1-40)
となるが、はの関数であるので、式(1-40)の2項目の及び3項目のはゼロとなる。従って式(1-38)は
式(1-41)
式(1-41)の積分内の第一項目の( )内はであれば
式(1-42)
が成り立つ。
従って積分の領域をFig.5に示した様に、点を含む球の領域とそれ以外の領域 に分けて考える。
領域では、式(1-42)が成り立つので式(1-41)の積分の第一項は
式(1-43)
の領域を十分小さくとれば は 一定値に近づくので式(1-43)は
式(1-44)
ここでベクトル演算の公式
式(1-45)
を用いると式(1-44)は
式(1-46)
ここでは領域の中心から球面上へのベクトルであり、 は球面上の微小面積要素の単位法線ベクトルであり、
式(1-47)
であるから、式(1-46)は
式(1-48)
従って式(1-41)の{ }内の第一項は
式(1-49)
と表せる事がわかる。
次に、式(1-41)の{ }内の第二項目は以下のベクトル演算公式
式(1-50)
を用いる。上式のに、にを代入すると
式(1-51)
はの関数であるので、式(1-51)の2項目の及び4項目のはゼロとなる。また3項目の括弧内は以下の様に勾配の回転となるのでゼロとなる。
式(1-52)
従って式(1-51)は以下の様になる。
式(1-53)
よって式(1-41)の2項目の積分は
式(1-54)
ここで積分の中を考えると
式(1-54')
ここで、は、に関する微分演算子である事に注意する事。
式(1-55)
更に
式(1-56)
であるので式(1-54)は
式(1-57)
積分の一項目にベクトル演算の公式(1-45)を用いると式(1-56)は
式(1-58)
と表す事ができ、ここで、磁極密度
式(1-59)
及び表面磁極密度
式(1-60)
を定義すると、式(1-41)は
式(1-61)
と表す事ができた。
ここで一項目は磁性体の表面の磁極密度からの磁場への寄与を表し、2項目は磁性体内部の磁極密度からの磁場への寄与を表し、3項目は磁性体の磁化を表す。3項目は、点(x,y,z) が磁性体の外部で真空であれば、ゼロとなる。
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公開日:2011年1月15日 更新日:2023年10月16日
作成者:児島 伸生
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