§10.直線円柱ワイヤーに流れる電流により作られる磁界

1)磁界の表式

直線円柱導線に流れる電流により作られる磁場

Fig.16に示したように固有座標系 X-Y-Z おいて外径がR、X軸に沿って座標が-L/2からL/2まで伸びた導線に電流密度 i の電流が X軸の正の方向に流れているとした時に、点0 , ,)に作られる磁界を表式化する。直線円柱導線内の微 小電流要素はFig.16に示したようにX方向の円柱座標系で位置(r, θ , x )に大きさ(dr, dθ ,dx ) の微小広がりで定義されているものとする。

この微小電流要素が点 P0 に作る磁界はビオサバールの法則により

dH =14πidrdxr dθ  ex×r'r'3 式(10-1)

ここで    ex はX軸方向の単位ベクトル、 r'は微小要素から点0までのベクトルで、X-Y-Z 座標系で

ex1,  0,   0 ,  r'X0-x,    Y0-rcosθ,   Z0-rsinθ 式(10-2)

と表される。従って、exr' の外積は

ex  ×  r'    =0,   -  Z0-rsinθ,   Y0-rcosθ      

となるので

dH =14πidrdxr dθ  ex×r'r'3

= 14πidrdxr dθ r'3-  Z0-rsinθ  ey + Y0-rcosθ  ez    式(10-3)

ここで  ey ,   ez はY軸、Z軸方向の単位ベクトルとする。 従って直線円柱ワイヤーに流れる電流全体からの寄与は全ての範囲に渡って積分すればよく

     Hx0                                                    Hy-i4π-L2  L2dx 0Rdr 02πdθ  r  r'3  Z0-rsinθ   Hz   i4π-L2  L2dx 0Rdr 02πdθ  r  r'3   Y0-rcosθ   式(10-4)

ここで

r'=   X0-x2+ Y0-rcos θ2 +  Z0-rsinθ2 式(10-5)

とおいた。

--------磁石専用磁場計算アプリケーション(Kojimag)に興味がある方はこちらへ--------

このサイトの基礎計算式を基に磁石専用アプリケーションを開発しました。
こちらから”磁石専用磁場計算アプリケーション(Kojimag)”からKojimagの詳細について確認できます。



公開日:2011年3月16日      更新日:2023年10月16日
作成者:児島 伸生
連絡先:
2011-2023 Copyright by Kojimag