§17.磁石に働く力の計算

3)一般角柱磁石に働く力の計算

一般角柱磁石に働く力(上面)

 §17-2)では、磁化がZ軸方向を向いた磁石に働く力を考察した。ここでは磁化が任意の方向を向く事ができる一般角柱磁石を考察する。 一般角柱磁石は§14で定義されている。(左手系で考える。)

1)上面の磁荷による力への寄与

Fig17-3に一般角柱磁石の定義と、上面の積分面を示している。    X軸を na 等分、Y軸を nb 等分すると仮定し、X軸方向に i番目の列 ( i=0,1,2)  Y軸方向にj番目の行 ( j=0,1,2) となる格子  i ,  j  の中心座標 Xi   ,Yj ,Zi,j は一般角柱磁石のローカル座標系を用いて

Xi= -a+ana2i+1  , Yj= -b+bnb2j+1 , Zi,j= 0 式(17-9)

と表すことができる。 従ってこの微小格子要素面  i ,  j  に働く力 FTop X  i ,  j

FTop   i , j=σT2a/na2b/nbHXi ,   Yj ,  0 式(17-10)

と表すことができる。上面すべての格子面に働く力は σT=McosΘ を用いて

FTop =McosΘ4ab/(nanb)i=0na-1j=0nb-1HXi ,   Yj ,  0 式(17-11)

により表すことができる。

  

2)右側面の磁荷による力への寄与

Fig17-4に一般角柱磁石の定義と、右側面の積分面を示している。

一般角柱磁石に働く力(右側面)

  Y軸を nb 等分、Z軸を nc 等分すると仮定し、Y軸方向に i番目の列 ( i=0,1,2)  Z軸方向にj番目の行 ( j=0,1,2) となる格子  i ,  j  の中心座標 Xi,j   ,Yj ,Zj は一般角柱磁石のローカル座標系を用いて

Xi , j= a  , Yi= b-bnb2i+1 ,  Zj= -cnc2j+1 式(17-12)

と表すことができる。 従ってこの微小格子要素面  i ,  j  に働く力 FRight  i ,  j

FRight  i , j=σR2b/nb2c/ncHa ,   Yi ,  Zj 式(17-13)

と表すことができる。上面すべての格子面に働く力は σR=MsinΘcosΨ を用いて

FRight=MsinΘcosΨ4bc/(nbnc)i=0nb-1j=0nc-1H a  ,   Yi ,  Zj 式(17-14)

により表すことができる。

3)前面の磁荷による力への寄与

 Fig17-5に一般角柱磁石の定義と、前面の積分面を示している。

一般角柱磁石に働く力(前面)

 

X軸を na 等分、Z軸を nc 等分すると仮定し、X軸方向に i番目の列  ( i=0,1,2)  Z軸方向にj番目の行  ( j=0,1,2) となる格子  i ,  j  の中心座標 Xi   ,Yi , j ,Zj は一般角柱磁石のローカル座標系を用いて

Xi= -a+ana2i+1 , Yi, j= b ,  Zj= -cnc2j+1 式(17-15)

と表すことができる。 従ってこの微小格子要素面  i ,  j  に働く力 FFront  i ,  j

FFront i , j=σF2a/na2c/ncH Xi ,  b  ,  Zj 式(17-16)

と表すことができる。上面すべての格子面に働く力は σF=MsinΘsinΨ を用いて

FFront=MsinΘsinΨ4ac/(nanc)i=0na-1j=0nc-1HXi ,  b  ,  Zj 式(17-17)

により表すことができる。

4)左側面の磁荷による力への寄与

Fig17-6に一般角柱磁石の定義と、左側面の積分面を示している。

一般角柱磁石に働く力(左側面面)

    Y軸をnb 等分、Z軸を nc 等分すると仮定し、Y軸方向に i番目の列 ( i=0,1,2)  Z軸方向にj番目の行 ( j=0,1,2) となる格子  i ,  j  の中心座標 Xi , j   ,Yi   ,Zj は一般角柱磁石のローカル座標系を用いて

  Xi , j= -a , Yi=-b+bnb2i+1 ,  Zj= -cnc2j+1 式(17-18)

と表すことができる。 従ってこの微小格子要素面  i ,  j  に働く力 FLeft  i ,  j

FLeft i , j=σL2b/nb2c/ncH-a ,  Yi  ,  Zj 式(17-19)

と表すことができる。上面すべての格子面に働く力は σL=-MsinΘcosΨ を用いて

FLeft=-MsinΘcosΨ4bc/(nbnc)i=0nb-1j=0nc-1H-a ,  Yi  ,  Zj 式(17-20)

により表すことができる。

5)背面の磁荷による力への寄与

 Fig17-7に一般角柱磁石の定義と、背面の積分面を示している。

一般角柱磁石に働く力(背面)

   

X軸を na 等分、Z軸を nc 等分すると仮定し、X軸方向に i番目の列 ( i=0,1,2)  Z軸方向にj番目の行 ( j=0,1,2) となる格子 i ,  j  の中心座標 Xi   ,Yi  , j   ,Zj は一般角柱磁石のローカル座標系を用いて

Xi = a-ana2i+1, Yi ,  j=-b ,  Zj= -cnc2j+1 式(17-21)

と表すことができる。 従ってこの微小格子要素面  i ,  j  に働く力 FBack  i ,  j

FBack i , j=σB2a/na2c/ncHXi , -b  ,  Zj 式(17-22)

と表すことができる。上面すべての格子面に働く力は σB=-MsinΘsinΨ を用いて

FBack=-MsinΘ sinΨ4ac/(nanc)i=0na-1j=0nc-1HXi , -b  ,  Zj 式(17-23)

により表すことができる。

6)底面の磁荷による力への寄与

 Fig17-8に一般角柱磁石の定義と、底面の積分面を示している。

一般角柱磁石に働く力(底面)

   

X軸を na 等分、Y軸を nb 等分すると仮定し、X軸方向に i番目の列 ( i=0,1,2)  Y軸方向にj番目の行 ( j=0,1,2) となる格子  i ,  j  の中心座標 Xi    ,Yj   ,Zi , j は一般角柱磁石のローカル座標系を用いて

Xi= -a+ana2i+1 , Yj=b-bnb2j+1 , Zi ,  j= -2c 式(17-24)

と表すことができる 従ってこの微小格子要素面  i ,  j  に働く力 FBottom  i ,  j) は

FBottom i , j=σB2a/na2b/nbHXi ,  Yj  ,  -2c 式(17-25)

と表すことができる。上面すべての格子面に働く力は σB=-McosΘ を用いて

FBottom=-McosΘ4ab/(nanb)i=0na-1j=0nb-1HXi ,  Yj  ,  -2c 式(17-26)

により表すことができる。

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公開日:2013年5月6日       更新日:2023年10月16日     
作成者:児島 伸生
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