§4.三角型磁極により作られる磁界

1)磁界の表式

Fig.9で示されるように固有座標径に於いて、X 軸方向の長さが a、Y 軸方向の長さが b の三角形の磁極面が 点  P0X0,Y0, Z0に作る磁界を計算する。磁極表面の磁化MはZ軸方向を向いているとする。

点(x , y , 0)に位置し、微小 X 方向長さdx、微小 Y 方向長さdyを持った微小要素をds とする。 座標原点O からdsまでのベクトル r 及び dsの面積は、

r=x ,  y ,  0

ds=dx dy 式(4-1)

となる。また、dsから点 P0 迄を結んだベクトルを r` とすると、

r` =P0-r=( X0   x,   Y0y  ,   Z0) 式(4-2)

となり、距離 r` は

r`=r`   r`  = (X0   x)2    +     (Y0 y)2  +   Z02      式(4-3)

となる。

また微小要素の磁極面の磁荷 dm は、磁石の残留磁束密度を Br とすると、

dm=Br ds=Br dx dy

と表せる。

微小要素dsによって点P0に作られる磁界dHはdsから点P0を結ぶ方向を向いたベクトルで 以下の様に表せる。

dH  =  dm4π μ0   r`2  r`r` =   Br  dx dy4π μ0   r`2  r`r`

従って、全ての三角形磁極面からの磁界 Hへの寄与は三角形全体のXとyに関して積分する事により求められる。その際積分の順序と範囲に注意する。

H =   dH  =Br 4πμ0 0b0-aby+a1r`2 r`r` dx dy  又は、

                  =Br 4πμ0 0a0-bax+b1r`2 r`r` dy dx 

と表せる。 r` の 式(4-2)を用いて H の各成分で表す。その際 Hx は xの積分、Hy は yの積分を先に行う。

Hx =   Br 4πμ00b0-aby+a1r`3 X0-xdxdy 式(4-4)

Hy =    Br 4πμ00a0-bax+b1r`3 Y0-ydydx 式(4-5)

HZ =    Br4πμ00a0-bax+b1r`3 Z0dydx 式(4-6)

となる。

ここで、式(4-4) , (4-5) において夫々 X0-x  = t , Y0 y=u , とおくと式(4-4)、(4-5)の積分範囲は夫々 X0   ,   X0-(-ab y+a)  , Y0   ,   Y0 (-bax+b)   となり、-dx=dt , -dy=du であるので 式(4-4)、(4-5) は

Hx =   Br 4πμ00bX0-a1-ybX0 t dt   t 2  +     (Y0 y)2  +   Z02     3 dy 式(4-4')

Hy =   Br 4πμ00a Y0-b1-xaY0 u  du  (X0   x)2    +     u2  +   Z02     3  dx   式(4-5')

とt 又はu に関する積分で表せる。 

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公開日:2011年1月15日     更新日:2023年10月16日
作成者:児島 伸生
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