§4.三角型磁極により作られる磁界
2)積分の実行
数学公式Ⅰ(岩波全書) の以下の不定積分公式を利用する。
式(4-7)
ここで
とおき x に関する積分を t または u に関する積分に置き換えて考えると式(4-4`),(4-5`)の t または u に関する積分が積分公式(4-7)を利用して実行できる。
以下先ず Hx について考える。
1) Hxの計算
式(4-4`) は 積分公式 式(4-7) を用いると、t に関する積分が実行でき、
式(4-8)
この積分の第一項では とおき、第二項の根号の中は
ここでA,B,Cを以下の様においた。
式(4-9)
これより式(4-8)は
式(4-10)
次に 数学公式Ⅰ(岩波全書)(注1) の以下の不定積分公式を利用する。
式(4-11)
式(4-10)は
式(4-12)
上式よりHxが表せる。
2) Hyの計算
次に 式(4-5`) も同様に積分公式 式(4-7) を用い、u に関する積分を実行し、その後公式 式(4-11) を用いて y に関する積分を行う。
式(4-13)
この積分の第一項では とおき、第二項の根号の中は以下の様にxに関して
展開する。
ここでA’,B’,C’を以下の様においた。
式(4-14)
これより式(4-13)は
式(4-15)
ここで積分公式 式(4-11)を用いると
式(4-16)
3) Hzの計算
数学公式Ⅰ(岩波全書)(注1) の以下の不定積分公式を利用する。
式(4-17)
上式でa=1, b=0, c= と考えれば、式(4-6)で 表された のyに関する積分が実行でき、
式(4-18)
ここで被積分関数の根号の中は
ここでA ,B ,Cを以下の様においた。
式(4-19)
従って式(4-18)の積分は
式(4-20)
と表される。
次に
式(4-21)
とおくと
式(4-22)
また式(4-21)は、
と変形できるので、tについて解くと解の1つは
式(4-23)
すなわち
式(4-24)
となり積分の中の無理関数 を有理関数化できる。
式(4-20)を、式(4-21)の変数tに変換する。この時、式(4-22),(4-23),(4-24)を用いる。
式(4-25)
となり積分を有理関数の積分へ変換できた。
この有理関数の積分は分母がtに関する4次式となっており、4次方程式の一般解の公式を用いれば、一般的に解くプログラムを作成する事ができる。
これは別途示す事にする。
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公開日:2011年1月15日 更新日:2023年10月16日
作成者:児島 伸生
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