§5.円形磁極面により作られる磁界

1)磁界の表式

Fig.10で示されたように固有座標径に於いて、半径Rの磁極面が点 P0(X0,Y0 ,Z0) に作る磁界を計算する。磁極表面の磁化MはZ軸方向を向いているとする。X座標がxからdxの幅を持った帯状の磁極面が点 P0(X0,Y0 ,Z0)に作る磁場は、微小X方向長さdx、微小Y方向長さdyを持った微小要素をds とするとその面積は、

ds= dx dy 式(5-1)

となり、また、dsから点P0  迄を結んだベクトルを r` とすると、

r` =(X0-x ,  Y0-y ,   Z0 ) 式(5-2)

となり、距離 r` は

 r`=r` r`=(X0   x)2    +     (Y0 y)2  +   Z02      式(5-3)

と現わす事ができる。微小要素の磁化dmは磁石の残留磁束密度をBrとすると

dm=Br ds=Br dx dy 式(5-4)

である。またこの微小磁化が点P0に作る磁界 dH

dH  dm4πμ01r'2   r'r' 式(5-5)

と表せるので、X座標がxからdxの幅を持った帯状の磁極面が点 P0X0 ,Y0,Z0に作る磁場は式(5-5)をY座標が -R2-x2 からR2-x2 迄積分すればよく

-R2-x2R2-x2  Br  4πμ0  1r'2 r'r'dy dx   式(5-6)

と表される。円形の磁極面全体が点P0X0 ,Y0,Z0に作る磁界は式(5-6)をXについて-RからR迄積分する事によって求められるので

H=Br 4πμ0-RR-R2-x2R2-x2  1r'2  r'r'dy dx  式(5-7)

となる。式(5-2)及び式(5-3)を用いると式(5-7)の H の各成分は

Hx=Br 4πμ0-RR-R2-x2R2-x2  X0 xr'3  dy dx Hy=Br 4πμ0-RR-R2-x2R2-x2  Y0yr'3  dy dx Hz=Br 4πμ0-RR-R2-x2R2-x2    Z0r'3  dy dx             式(5-8)

と表す事ができる。

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公開日:2011年1月15日     更新日:2023年10月16日
作成者:児島 伸生
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